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「ねじまき鳥クロニクル」バリアフリー字幕配信!つくり手×鑑賞者が考える、舞台における「言葉と身体」の面白さと可能性(前編)

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投稿日:2024/05/27

公演写真より、左から)岡田トオル役:成河さん、赤坂シナモン役:松岡広大さん、赤坂ナツメグ役:銀粉蝶さん

現在THEATRE for ALLでバリアフリー配信中の舞台『ねじまき鳥クロニクル』。村上春樹が世界で評価されるきっかけとなった小説「ねじまき鳥クロニクル」を原作とし、トップクリエーターたちの手によって舞台化されたことで話題になりました。

 

独特の世界観、多層な音表現の入り混じる本作品を、音の表現にバリアのある方や文字支援があるとより舞台を楽しむことができる方にもお届けできるこの機会に、同作品の魅力とチャレンジについてお伝えするべく企画された対談。主演俳優・成河さん、廣川麻子さん、Sasa /Marie(ササ・マリー)さんをお迎えしてお話をお聞きした記事の前編です。

左から)廣川麻子さん、成河さん、ササ・マリーさん

俳優・成河さんが字幕版をみて改めて感じた、「この舞台の身体」の面白さ

成河)僕、改めて、『ねじまき鳥クロニクル』のバリアフリー配信を、全編、音無しで観てみたんですよ。字幕と絵だけで、色々なことを感じました。情報量って、減らないんですよ。面白いシーンは、音があってもなくても、同じ位面白いんですね。同時に、演じている僕としても「ちょっと上手くいっていないな」と感じていた部分は、音が無くてもやっぱり上手くいってない。役者である僕らが発している情報と、観ている人が受け取る情報というものについて、もの凄く考えました。

成河)この作品は、イスラエルの演出家、インバル・ピントの作品で、身体表現の情報がとても多いというのが特徴。究極的には、音が無くても豊かな観劇体験が得られる可能性のある作品かもしれないなぁと。

 

一方で、字幕については、文字の出るタイミングだったり、画面上の位置についてなど、まだまだ課題もあるんだろうなとも感じました。

 

廣川)実は私は、東京芸術劇場の舞台を生で拝見しています。今回は、もう結末を知っていますので、「ああ、なるほど」と思いながら、改めて掴めた部分もありました。動きも含めて、改めて観られたのは、とても楽しかったですね。

ササ・マリー)夜、映像を拝見しかけて、不穏な台詞がはじまったので、ここからは「大人の世界」だなと。家族には寝てもらいました。(笑)村上春樹さんの、大人の世界。日常会話では使わないような言葉の表現が、舞台になったときにどうなるのか、楽しみに拝見しました。

 

原作も実は読んでいたのですが、戦争の話の印象が強かったので他のシーンを忘れていて。映像を見始めたときは、話の内容を理解するために、字幕で内容を追ってしまって。「今、役者さんは今何をしてた?」「もう一度巻き戻してみよう!」っていうことが何度かありました。

ササ・マリー)役者さんが、台本に書かれていない動きを沢山されるのが魅力的で。何度も繰り返し観ました。お気に入りなのは、成河さんが、電話を取るシーンの動き。あれ、3回観ちゃった。

公演写真より、岡田トオル役:成河さん

そういう書かれていない“間”を動かしていくっていうのが舞台の醍醐味だと思うし、それをこういう形で初めて経験出来たのは良かったので、次は生で観たいと思いました。

 

成河)インバルの作品は、照明や舞台美術も重要な絶対条件の上で、“身体表現の情報量が抜きん出ている”ので、他の作品もぜひご覧いただきたいですね。

 

ササ・マリー)役者さんが身体の全てを使って表現しているので、私自身、表現者としても、学ぶことが多かったです。

余白の表現、質感。字幕制作の難しさと面白さ

廣川)今回のバリアフリー配信字幕は、音楽の説明や同じ役(主人公の岡田トオル)を二人の俳優さんが演じているキャストの名前をきちんと区別出来るような工夫、演じている人の名前を字幕で出しているという点などわかりやすくて良かったと思います。

ササ・マリー)カギ括弧の使い分けもわかりやすかったですね。誰が今話しているとか、どういうことが起きているということが受け取りやすかった。

 

やっぱり舞台を色々な人に観てもらえるきっかけが、字幕を付けたことで広がったというのが、最大の良いことだと思います。

 

廣川)そうですね。「ねじまき鳥クロニクル」は、とても人気のある作品ですから、たくさんの聞こえる人がお客さんとしていらしていたと思うんですけど、聞こえない人にとっては、ちょっと敷居が高い作品だったかもしれません。でも、この身体表現が映像になることによって、その面白みを味わえますね。

 

例えば、シナモンというキャラクターの台詞字幕に、「シナモン:(声が枯れる)」というのがあったのですが、雰囲気が伝わってきてとても良かったなと思います。演者の身体表現のニュアンスが伝わってくる。

バリアフリー字幕配信映像より

ササ・マリー)成河さんに質問なんですが、「、、、」と「、」がが3つあるところって、どういう言い方をしているんですか?

 

成河さん)場面にもよりますけど、少し、間が長い位かな。

 

ササ・マリー)余韻なのかなとか思ったんだけど、なんか、最後の方のセリフ字幕に「、、、」っていっぱい出てきて。

 

成河)台本から取って字幕化しているのだと思いますが、これは、作家の藤田貴大君の文章を書く時の特徴でもありますね。俳優としては、こういう情報も、視覚的な情報としても受け取って演じています。

 

廣川)ろう者が観ると、「寝ました、、、」という字幕は、声が小さくなっていき、「寝ました。」は言い切る印象ですが、実際はどうだったんですか?

 

成河)近いと思います。つまり、句読点の「。」じゃないということを強調したいのだと思います。終わらない、ずっと余韻が延長していくような感じ。

 

ササ・マリー)面白いですね。こういう身体性について、演じた方やつくり手の方と一緒に映像を観ながら話せるっていうのも大事なことですよね。ろう者だけではなくって、言葉が苦手な人も、海外の人も、子どもも、「そうなんだ」「そういう意味だったんだ!」って話す時間をつくると、作品のアクセシビリティも高まっていくんだと思います。

つくり手と当事者が対話し、実験することの重要性

廣川)字幕を制作する際には、やはり、つくり手と当事者がそのプロセスで対話し、より良い字幕を探っていく機会が、必要だと思っています。字幕っていうのは、聞こえない人が観て、聞こえない人がきちんと受け止められるかどうかっていうところを確認しなきゃいけない。

 

先ほど話題に出たような、「、、、」という字幕がついていたけど、「作家や演じている人はどういう感覚なの?」っていう点も、丁寧にヒアリングした上で、字幕に「、、、」を出す意味があるのであれば、しっかり表現する。沈黙が長い場合は、そこは一旦カットして、箱割りして字幕を出す。そういう細かい作業が不可欠だと思います。手間はかかりますけれども、やった方がもっと観る人が増えてくるんじゃないかなとな思います。

 

表現者だからこそ説明出来る部分があると思うので、ぜひつくり手も一緒に字幕制作ができると嬉しいです。

 

ササ・マリー)フォントも大事ですよね。作品や演技の世界観にあっている書体はこれだ!とか。

 

成河)僕はやっぱり字幕は、喋っている人間の真横にタラタラタラタラって出たら、最高だよね、と思います。

 

廣川)それは出演者として大丈夫なのですか?顔にちょっと被るような…。

 

成河)それを気にされているのだとしたら、本当に心が痛いです。僕に限らず、俳優も演出家とか照明家とかデザイナー全員が気を遣われているんだけど、きちんとオープンに話し合えば、もっともっと色々なことが良くなるんじゃないかなと思います。

 

後編に続く

プロフィール

成河 (俳優)

東京都出身。大学時代から演劇を始め、北区つかこうへい劇団などを経て舞台を中心に活動。平成20年度文化庁芸術祭演劇部門新人賞、11年に読売演劇大賞優秀男優賞、22年に紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。近年の主な出演作に、舞台『髑髏城の七人』Season 花、『エリザベート』『子午線の祀り』『タージマハルの衛兵』『スリル・ミー』『建築家とアッシリア皇帝』『ラビット・ホール』『ある馬の物語』など、映像ではNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、映画『脳内ポイズンベリー』、『カツベン!』など。5~6月に舞台『未来少年コナン』に出演。

 


 

廣川麻子(NPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク理事長/東京大学先端科学技術研究センター当事者研究分野ユーザーリサーチャー/特任研究員)

先天性ろう者、東京出身。和光大学在学中の1994年に(社福)トット基金日本ろう者劇団入団。2009年ダスキン障害者リーダー育成海外派遣事業第29期生として1年間、英国研修。2012年シアター・アクセシビリティ・ネットワーク(TA-net)設立。2015(平成27)年度(第66回)芸術選奨文部科学大臣新人賞(芸術振興部門)ほか受賞。2018年より東京大学にて芸術文化におけるアクセスを研究中。 

 


 

Sasa /Marie(ササ・マリー)

Sign Poet(手話による「てことば」で詩を紡ぐ人)、でんちゅう組この指とまれ担当。 

ミュージック・アクセシビリティ・リサーチャー。「でんちゅうさんシリーズ」、「めでみることばで詩を叫べ」の企画制作など、てことば、からだ、こえ、おんがくなどによる五感で感じる空間インスタレーションとポエトリー・リーデイングを展開。九州大学大学院芸術工学府博士後期課程在学中。令和6年度文化庁新進芸術家海外研修制度(特別)研修員。

鑑賞者からの声

梶本瑞希さん(アーティスト/ダンサー/俳優)

字幕を含めた情報保障付きの舞台はあまり見たことがありません。字幕がある、ない。全然違いました。なかったら、わからない部分たくさんありますが、自分で勝手にこのシーンはこうなのか、と想像して、最後に聞こえる人に聞いて、そこで知る.ことが多いです。

 

今回の映像には字幕があり、全て分かった上で見たのでストーリがわかるので、スッキリさが全然違いました。なかったら、モヤモヤっていうか、楽しいは楽しいですがみんなと同じ時間に泣けない、笑えない、感動できない。でした。理解する時間が遅くて考える時間も多いのでスッキリさがありませんでした。

 

今回はモヤモヤがなかったので全部わかるから、気持ちも楽にできて、みんなと同じ時間過ごすことができて嬉しかったです。全て舞台字幕があったらな。って思いました。このような機会をいただき本当にありがとうございました。

 


 

YUKIさん(聞こえない演劇ファン)

東京芸術劇場で『ねじまき鳥クロニクル』が上演された時、字幕付き公演を鑑賞し楽しみました。その後、THEATRE for ALLの配信でも字幕が付き、とても嬉しく思っています。

 

舞台『ねじまき鳥クロニクル』はこれまでに観たことのないような、全く新しい素晴らしい作品でした。俳優やダンサーたちが演じ、歌い、踊ることで、原作が持つ世界感をより深く、より豊かに表現していました。視覚的な情報が多く目で楽しむことが出来ることも良かったです。

 

更に、字幕は台詞情報だけでなく、音楽や声色の変化などの情報も丁寧に伝えていました。そのことによって、物語の内容を理解しやすくなり、作品の魅力をしっかりと届けていたように思います。原作を読んだことがある人も、そうではない人もぜひ観て頂きたい作品です。

 

東京芸術劇場で生の舞台を観た時に一番好きだったシーンは、門脇 麦さんが演じる笠原メイが書いた手紙にのせて歌う場面です。とても可愛らしくファンタジックなこのシーンを映像で再び見ることが出来たのは、本当に嬉しかったです。

 

生の舞台も配信にも字幕を付けることで、鑑賞に連続性が生まれます。舞台を楽しみたいという気持ちが途切れないことは、とても大事なことだと改めて感じました。

 

舞台を観ていると、聴者の観客からも「台詞や歌詞が一部聞き取れなかった」という声があがることがあります。「字幕があって羨ましい」と言われることもあります。聞こえる、聞こえないに関わらず、多くの方が字幕と共に舞台を楽しむことができる環境が整備されて欲しいと思います。これからも舞台芸術のアクセシビリティが向上していくことを期待しています。

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