森美術館 展覧会関連プログラム Meet the Artists 山本高之『イクトゥス』子ども向けワークショップ
ABOUT
古代ギリシア・ローマ時代の「神話」や、『古事記』などの日本の古典文学では、私たち人間の「性」の描かれ方は多様であった一方で、生まれてきたときの「性」を死ぬまで生きることが当たり前とされる時代が長く続いてきました。私たちは、日常のさまざまな場面で、「女らしさ」や「男らしさ」という社会規範に沿って生きることが求められ、現在もなお、そのような従来の価値観が根強く残っています。
人間の世界とは異なり、魚をはじめとした水中生物の世界では、成長する過程や環境にあわせて性別が変化したり、生き延びるために自ら変化させたり、人間とはまったく異なった性のあり方を見ることができます。同じ種類の魚の群れのなかで体の大きさで性別を決めたり、1日に20回も性転換したりする魚も存在します。 本プロジェクトでは、そのような魚の世界の「性」の多様なあり方を学び、アーティストの山本高之がミュージシャンや子どもたちと共に表現します。ワークショップ形式で歌や衣装、大道具などを制作し、最後にはミュージカルとして上演。その上演の様子を、映像作品としてTHEATRE for ALLにて公開します。
<ワークショップ活動内容>
魚の研究者から魚の性についての話を聞き、それをもとにミュージシャンが歌をつくります。完成した歌にあわせて、アーティストと子どもたちが衣装や大道具などをつくり、歌ったり演じたりします。
イベントについて
開催概要
開催日:6月5日(土)〜8月15日(日)
対象:6歳〜10歳
会場:森美術館ほか
定員:8組
参加費:無料
アーティスト:山本高之
対象作品:参加者の皆さんと制作した作品を配信予定!
お申し込み
締切:5月28日(金) *受付は終了しました
アーティストプロフィール
山本高之
1974年愛知県生まれ。子どもの会話や遊びに潜在する創造的な感性を通じて、普段は意識することのない制度や慣習の特殊性や個人と社会の関係性を描き出してきた。近年は地域コミュニティと協働して実施するプロジェクトや、一般を対象としたオルタナティヴなアートスクール・プログラムにも取り組んでいる。山本は愛知教育大学大学院を修了後に渡英し、ロンドン大学チェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインを修了。これまでに第6回シャルジャ・ビエンナーレ(2003)、「笑い展:現代アートに見る『おかしみ』の事情」(森美術館、2007)、あいちトリエンナーレ2010、「アジアの亡霊」(アジア美術館、サンフランシスコ、2012年)、「ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界」(森美術館ほか、2014-2015)、第3回コチ=ムジリス・ビエンナーレ(2016)などに参加。2017年にはアートラボあいちにて個展「山本高之 Children of men」を開催。「山本高之とアーツ前橋のビヨンド20XX展 未来を考えるための教室」(アーツ前橋、2019)。森美術館ラーニングでは、「笑い展」(2007)関連プログラムとしてワークショップ「スプーン曲げを教える」、「イ・ブル展」(2012)での関連企画ワークショップ「チルドレン・プライド4.28 in 六本木ヒルズ」、「ゴー・ビトゥイーンズ展」(2014)展示作品のためのワークショップ「どんな地獄へ行くのかな」などを実施している。
クレジット
主催:株式会社precog、森美術館
企画:田中みゆき(インディペンデント・キュレーター)、株式会社precog、森美術館ラーニング
企画協力:日本財団 DIVERSITY IN THE ARTS
助成:⽇本財団、公益財団法⼈東京都歴史⽂化財団 アーツカウンシル東京
協力:ゲーテ・インスティトゥート東京