へんしんっ!

石田智哉

ABOUT

体とからだ、人とひと。
ちがうをつなぐ、こころとは。
驚きと、歓びの、ドキュメンタリー!
ものさしが違う者同士が関係性を結ぶことで開かれていくこととは?

電動車椅子を使って生活する石田智哉監督は、「しょうがい者の表現活動の可能性」を探ろうと取材をはじめた。演劇や朗読で活躍する全盲の俳優・美月めぐみさん、ろうの手話表現者の育成にも力を入れているパフォーマーの佐沢静枝さん。多様な「ちがい」を橋渡しするひとたちを訪ねる。石田と撮影、録音スタッフの3人で始まった映画制作。対話を重ねながら、映画のつくり方も変化していく。
石田自身の心と体にも大きな転機が訪れる。振付家でダンサーの砂連尾理さんは、「しょうがい」を「コンテクストが違う身体」という言葉で表現した。「車椅子を降りた石田くんがどんなふうに動くのかを見てみたい」。そう誘われて、石田もパフォーマーとして舞台に立つことに。とまどい、揺れながら、またあらたな表現の可能性が拓かれていく。

公開中

作品を視聴する

作品の基本情報

上映時間
94分
言語
日本語
料金
〈レンタル〉 1,000円(税込) 視聴期間: 168時間 / 7日間 この作品はレンタル(PPV)でご視聴いただけます。*Vimeoの仕様上、お客様の閲覧環境によって金額が米ドル表示になる可能性もございます。
ジャンル
映画 ドキュメンタリー
シリーズ
まるっとみんなで映画祭

本作品のアクセシビリティ

  • 音声ガイド
    対応
  • 手話
    非対応
  • バリアフリー字幕
    非対応
  • 字幕
    対応
  • 多言語対応
    対応
  • 吹き替え
    非対応
  • 作家オリジナルのバリアフリー
    非対応
  • ノンバーバル
    非対応

オリジナル版と4つのバリアフリー動画をご用意しています。視聴ページに移動後、ご覧になりたいバージョンのリンクをクリックしてください。

  • オリジナル版(アクセシビリティなし)
  • 日本語音声ガイド
  • 日本語字幕
  • 英語字幕/English Subtitles
  • 韓国語字幕/Korean Subtitles

POINT!

劇場などでは、石田智哉監督が探究し、掴んだものを表現するため、「日本語字幕」をスクリーンに投影し、映画本編の音に加え「音声ガイド」を劇場内のスピーカーから流す「オープン上映」を行いました。 「THEATRE for ALL」での配信では、アクセシビリティを高めることに重点を置き、視聴者が自由に選択し、見比べることも可能となっています。

アーティスト・制作者 からのメッセージ

「表現活動をする人を撮ることで、自分がどう変わっていくのかを大切にしたい」

スタッフとお互いの経験を話した初回撮影の最後、私はこう語りました。映画冒頭のインタビューをみると、その場で汗ばみながら、少し震えた声で言葉にしたことを思い出します。ところが、いざ制作が始まると、この考えを作品へ、のせていくことに多くの葛藤が起こりました。

佐沢静枝さんと美月めぐみさんへの取材では、自分の思いを観客に届けるための活動やエネルギーを教えてもらいました。2人の活動には圧倒されるばかりで言葉を返せませんでした。その後、砂連尾理さんの舞台作品で「自分の身体で表現する」経験や、2人への取材を振り返る日々を過ごしました。いつしか映像作品を通して、自分の思いを形にし、応答することを「やりたい」と心に決めました。届けたい人を想像することは作品作りを前進させました。

約1年かけて編集し、形となった本作は「ぴあフィルムフェスティバル」で上映する機会を得ました。この上映では日本語字幕と音声ガイドを間に合わせることができませんでした。ですが「届け方」にも自分の思いが込められるとの感覚を、映画祭を通じて実感しました。そこから劇場公開が叶い、日本語字幕と音声ガイドのある形(オープン上映)が誕生しました。

しょうがいは「身体のちがい」であること。自分にとって映画は「この身体」では味わえない体験や感覚と出会い興奮や反省を得られるものとの捉え方は「オープン上映」をやりたいとの動機に関わっています。「ちがい」を味わうことが映画の内容だけでなく「みる」ときにも起きたらなと、そんな不思議な体験を味わってもらえる可能性があるのではないかと思いました。今回は複数のバージョンでの上映を行います。オリジナル版、日本語字幕、音声ガイド、英語字幕、韓国字幕。どう観ようかとの選択ができること、複数のバージョンを見比べていただけることでの発見もあるのかなと想像します。

タイトル『へんしんっ!』は、本制作をスタートから見守り、数々の励ましやアドバイスをくれた篠崎誠さんからもらった言葉です。「映画作りを通して、体と心が変わっていくこと」が切に込められ、これ以上に作品のことを深く、そして、自分らしく表してくれるものは思いつきませんでした。

長い月日をかけて、迷いながら、映画を作る経験は、貴重で味わい深いものでした。出演者のみならず多くの人からあらゆる言葉をかけてもらい、鼓舞されました。自分の姿を映像で見続け、声を聞き続け、あれこれと思い悩み、映像編集と日誌に言葉を綴ることを繰り返しました。自分が何をすることに〈よろこび〉を感じるのか、制作前よりも少しだけ分かったような気がします。自分の変わっていく姿を映画にすることができたこと。作品が多くの人々に観てもらえることへの感謝。そして映画と歩みながら生まれる、これからの出会いにワクワクします。

アーティスト プロフィール

石田智哉

 

1997年生まれ、東京都出身。立教大学現代心理学部映像身体学科卒業、同大学院修士課程在学中。中学生の頃、自分に合った学習方法としてiPadを紹介され、そこでの短編映像の制作をきっかけに映像制作に興味を持つ。大学では、哲学、写真、映画、身体論などを学びながら、3年次より映像制作系のゼミに所属する。また、ボランティアサークル「バリアフリー映画上映会」実行委員を務め、上映会の企画・運営を行う。現在、しょうがい者が創作をする過程で生まれる、身体観やしょうがい観の変化について研究している。本作が初監督作品。

 

クレジット

監督・企画・編集:石田智哉
キャスト:石田智哉、砂連尾理、佐沢(野﨑)静枝、美月めぐみ、鈴木橙輔(大輔)、古賀みき
プロデューサー・録音:藤原里歩
撮影:本田恵、壷井濯、柗下仁美
整音:橋本昌幸
字幕監修:北川光子、木山直子、佐沢(野﨑)静枝
音声ガイド制作:鈴木橙輔(大輔)、美月めぐみ、平塚千穂子
ナレーション:ぺんぺん
協力:バリアフリー演劇結社ばっかりばっかり、立教大学しょうがい学生支援室、立教大学ボランティアセンター、バリアフリー映画上映会実行委員会 ほか
指導教授:篠崎誠
配給:東風

第2回 立教大学 映像身体学科学生研究会 スカラシップ助成作品

2020年|日本|94分| 英題:Transform! (C)2020 Tomoya Ishida

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