Q 「みんなが楽しめる」をつくるとは?

結婚式とダンスと

THEATRE for ALLのWEBやSNSでの発信を担当している清水です。大学を卒業して以来ウェディングの仕事をしており、現在もprecogの仕事と並行して、フリーランスのウェディングプランナーとしても活動しています。

実はウェディングの仕事についたのは学生時代にやっていたモダンダンスがきっかけ。大学のダンスサークルがお世話になっていた舞台照明会社のアルバイトで、週末には披露宴の現場に入っていました。主にピンスポットを振るのが私たち学生バイトの仕事。笑顔で食べたり飲んだりしているゲストが目の前にいらっしゃって、おひらきになると「楽しかったよ」「お世話になりました」と声をかけていただくことも多々ありました。(正直、要所要所でスポットを当てていただけなのに、ありがたいことです。)ゲストと一緒にほろりとすることも……。就職活動をする中で、ダンス作品と結婚式の中身、そして創作と準備のプロセスがよく似ていることに気づき、結婚式場に応募しました。

全員が「同じように楽しめる」ことを考え続けてきた

結婚式というのは実に幅広い層の方がやってきます。小さなお子さんからご老人まで年齢も幅広いですし、会社のご上司もいればご家族もいます。そして、特にご家族やご親族に関しては体調や障害の有無に関係なく列席されます。もちろん、新郎新婦が障害のある方というケースもありました。

ウェディングプランナーとは演出を提案する人だと思う方も多いと思いますが、私自身はゲスト全員が楽しめる場をつくるということが最も大切な仕事だと考えています。演出もサービスも全部ひっくるめて、みんなが楽しかった!と感じられること。これは時代や流行に関係なく、いわゆる「おもてなし」の場には欠かせないポイントです。

例えば結婚式の食事。今では出欠の返信にアレルギーや食事制限がないかを伝えてもらうのが当たり前になっています。これはどの方にも同じように楽しくお食事をしていただくため。安全・安心のための配慮です。打ち合わせでは妊娠中の方、小さなお子様、杖や車椅子をお使いの方がいらっしゃらないかなども確認し、当日の対応に備えたり、席順を検討したりします。

「楽しかった」と多様なゲスト全員に感じてもらえる結婚式にするにはどうすればいいか?それを新郎新婦と一緒に考え、準備するのがプランナーの仕事です。

同じ思いで場づくりを

THEATRE for ALLでは映像作品に字幕や手話、音声ガイドなど「アクセシビリティ」をつけて配信しています。私もその言葉を聞いたことはあったものの、身近に触れたのはprecogに入ってからです。WEB制作を学んだ時に少し触れた言葉ではありましたが、障害のある人にとってどうか?ということを常に考えるような環境にはいませんでした。

THEATRE for ALLのWEBを担当するようになって私が思ったのは「アクセシビリティ」も多様な人たちが同じように動画を楽しむための方法でありツールだということ。最近ラジオで耳にしたのですが、イギリスの駅では案内表示に手話が表示されるそうです。文字があればいいのでは?とつい思ってしまいますが、文字よりも手話のほうがよりわかりやすい人もいるからだそう。THEATRE for ALLのアクセシビリティ制作の場でも同じような話題がありました。その人がより便利と思うツールを使えたほうが、より楽しめますよね。

アクセシビリティについてはまだまだ勉強中の私ですが、全ての方に楽しんでもらいたいという気持ちは自分がこれまでやってきたウェディングと変わらない。「みんなが楽しめるように」という思いを根底に持って、学びを深めていきたいと思います。

わらび座「イーハトーブシアター『真昼の星めぐり』theMusical」で実施したリラックスエリア(上演中に一時退出して休憩できる場所)の準備風景。イーハトーブシアターの世界観をイメージした塗り絵も用意しました。

参考記事

執筆者プロフィール

  • 清水恩
    WEBマスター/広報アシスタント
    2021年4月にprecogに入社。広報を経て、THEATRE for ALLの配信ページやプロジェクトの特設ページ等WEB制作管理、日々のSNS発信を担当しています。フリーランスのウェディングプランナーとしても活動中。高校・大学と親しんだモダンダンスとの類似点からウェディング業界に入り、今に至ります。趣味は美術館・博物館めぐり。特に日本文化が好きで、ときどき和装も楽しんでいます。