2022/02/18
福祉施設の生活と鑑賞を考える「劇場をつくるラボ」公開報告会をオンライン開催!
「劇場をつくるラボ」公開報告会
3月10日(木)18:00~ Facebook Live にて配信!
日時:3/10(木) 18:00-21:00
場所:オンライン(Facebook LIVE)で無料配信
◉構成
18:00- ごあいさつ、「劇場をつくるラボ」概要紹介
18:10- 第一部 愛成会 x やまなみ工房 x クリエイターチーム 振り返り
18:55- 休憩
19:00- 第二部 ぬか つくるとこ x 安積愛育園 x クリエイターチーム 振り返り
19:45- 休憩
20:00- 第三部 長津結一郎 x 佐藤拓道 x 山川陸 x 兵藤茉衣 トークセッション
21:00 終了
・公開報告会の開催にあたって
バリアフリー型のオンライン劇場THEATRE for ALLでは、アクセシビリティと表現や、福祉の現場と芸術表現の様々な関わり等をリサーチし実験を試みる「THEATRE for ALL LAB」という活動を行っています。
福祉の現場におけるアートの創作活動の広がりに比べて、芸術作品の鑑賞機会はまだまだ少ないです。そんな中、作品と出会うことの価値を考えるべく、福祉施設の利用者さん・スタッフさんとともに行っているデザインリサーチが「劇場をつくるラボ」です。
このプロジェクトでは、主にTHEATRE for ALLで配信している映像作品を中心に、普段の施設の生活の中で未知な作品を目にする機会のつくり方を、機材提案から空間的なインストールのアイディア、利用者さんとスタッフさんの関わり方など様々な角度から実験しています。
今回、1年間にわたる活動の終わりに、デザインリサーチをともにした4施設の担当スタッフの皆さんとクリエイターチームで公開報告会を開催します。
ゲストには、障害のある人などの多様な背景を持つ人々の表現活動に着目した研究を続ける九州大学 芸術工学研究院 コミュニケーションデザイン科学部門 助教・長津結一郎氏、プロジェクトの開始をともにした、たんぽぽの家 副施設長・佐藤拓道氏をお迎えし、本プロジェクトが福祉施設の生活においてどのような発見を生むのか、また施設に限らず、生活の中で未知のものと出会っていく環境づくりの可能性を議論していきます。
一方的な方法論が通用しない、きわめて具体的なコミュニケーションの上に成り立っている福祉施設の環境で、一人一人の利用者さんと作品視聴を通じて関わるこのプロジェクトはまだ始まったばかりです。
この具体的な報告と議論をオープンにし、その面白さを共有しつつ、今後の可能性を探る機会にできましたら幸いです。
(「劇場をつくるラボ」ディレクター 山川陸)
出演者
<「劇場をつくるラボ」参加メンバー>
丹正和臣(ぬか つくるとこ)
青木信・玉村明日香(愛成会)
小西康正(やまなみ工房)
小林竜也・折笠弘海(安積愛育園)
<「劇場をつくるラボ」クリエイターチーム>
板坂留五(建築家)
梅原徹(音楽家)
渡辺瑞帆(セノグラファー)
<ゲスト>
長津結一郎(九州大学 大学院 芸術工学研究院 助教)
佐藤拓道(たんぽぽの家)
<モデレーター>
山川陸(「劇場をつくるラボ」ディレクター)
兵藤茉衣(THEATRE for ALL事務局)
▼「劇場をつくるラボ」とは
劇場に足を運びづらい方々が集まる障害者福祉施設において、映像作品の視聴環境づくりを通じて、作品鑑賞のあり方やアートと生活の関係を考えるデザインリサーチプロジェクトです。
福祉施設では、創作に取り組む機会は多くても、移動や施設設備など様々なハードルから、作品鑑賞の機会は少ないのが実状です。
また、福祉施設の創作活動の多くは絵画や立体などの美術表現が多く、演劇やダンスに代表されるパフォーミングアーツの実践例は多くありません。コミュニケーションそのものをストレートに考えることになるパフォーミングアーツは、言語以外の関わりも重要な福祉施設における新たな発見のヒントが多く含まれていると私たちは考えています。
このプロジェクトは施設利用者さんだけでなくスタッフさんにとっても、未知なものとの出会いを生活に導入することにつながります。普段の施設の様子のヒアリングに始まり、作品鑑賞のためのアイディア出し、実際に機材設置しての実験、細かなフィードバックの議論を通じて、鑑賞だけでなく生活環境や運営上のヒントも多く見つかるプロジェクトです。
本プロジェクトは、2021年2月に奈良県・たんぽぽの家の協力で活動を開始、2021年3-5月にはより多くの施設とトライアルを続けるためにクラウドファンディングを実施しました。その後、頂いた支援を元に、2021年7月-2022年2月で岡山県・ぬか つくるとこ、東京都・愛成会、滋賀県・やまなみ工房、福島県・安積愛育園の合計4団体とトライアルを行いました。
こうすべき・こうあるべきという正解を導きだすことよりも、具体的で個別的な人と人、人と作品の間にあるコミュニケーションを、より多くの人に共有し、体験してもらえるのか、試行錯誤しながら活動を続けています。