「まるっとみんなで映画祭2022」総まとめトークシリーズ
ABOUT
リアルイベントと配信でバリアフリーな上映会に挑戦した169日間を振り返ります。
今年7月から12月まで開催している「まるっとみんなで映画祭2022」は、作品配信とともに、オンラインやリアルな現場で様々なイベントを実施してきました。企画ごとに工夫した点や、挑戦したバリアフリーの実践などについて、具体的な体験をもとに実行委員メンバーや関係者でディスカッションします。
多様な鑑賞者を想定した場作りや情報発信の課題、イベントを通して開拓した今後の可能性、映画監督や作り手の方々の体験に基づいた発見など、様々な視点からみなさんとこの映画祭を振り返ります。
イベントについて
開催概要
日時: ①12月20日(火)12:00-13:00
②12月21日(水)11:00-12:00 ※手話通訳つき
③12月21日(水)16:00-17:00
④12月22日(木)12:00-13:00
⑤12月23日(金)14:00-15:00
⑥12月23日(金)17:00-18:00
会場:オンライン(YouTubeを予定)
参加費:無料
<トークテーマ・登壇者>
①「多様な人々が集う場をつくるためには?」
登壇者:
成澤俊輔(世界一明るい視覚障がい者)
上濱直樹(株式会社メジャメンツ 代表取締役)
金森香(まるっとみんなで映画祭 実行委員長)
②「字幕・手話のつけ方、多様な人々との楽しみ方」※手話通訳つき
登壇者:
廣川麻子(TA-net)
那須映里(手話エンターテイナー)
田澤瑞季(株式会社precog)
③「映画のバリアフリー化プロセス・実体験レポート」
登壇者:
東海林毅(映画監督)
山上庄子(Palabra株式会社 代表取締役)
④「映画祭が切り開くインクルーシブなまちづくり」
登壇者:
藤原徹平(建築家・一般社団法人ドリフターズインターナショナル理事)
樋爪克至(ART 369)
西田祥子(アートマネージャー)
⑤「フレンドリー上映会の作り方と育て方」
登壇者:
米津いつか(アートマネージャー/コーディネーター)
梅原徹(音楽家)
五十嵐純子(料理家・小児患者保護者のおしゃべり会代表・認定NPO法人スマイリングホスピタルジャパン茨城地区コーディネーター)
五十嵐ここね(重症心身障害者ファッションモデル)
⑥「「人生相談」や「生きづらさ割引」を通して考えてみたこと」
登壇者:
大久保玲子(THEATRE for ALL ディレクター)
宮崎淳子(イベントオーガナイザー)
*THEATRE for ALL 有料会員になると、映画祭作品を含めた約100点のコンテンツが月額1800円で見放題▶︎お申込みはこちら
THEATRE for ALL YouTube公式アカウント(https://www.youtube.com/@THEATREforALL)から配信します。
視聴リンク:
②「字幕・手話のつけ方と、多様な人々との楽しみ方」※手話通訳つき
注意事項
※推奨デバイス:パソコン、スマートフォン、タブレット
※画像や音声のクオリティは参加者ご自身のネット環境に依存します
※接続に係る通信料は参加者ご自身の負担となります
アーティストプロフィール
成澤俊輔(世界一明るい視覚障がい者)
1985年、佐賀県生まれ。徐々に視力を失う難病・網膜色素変性症を持つ。視覚障害による孤独感や挫折感から大学在学中に2年間引きこもるが、克服して経営コンサルティング会社でのインターン経験などを重ね、2009年に独立。
2011年12月、就労困難者の就労支援と雇用創造をするNPO法人FDA(Future Dream Achievement)事務局長に就任。就労困難者の「強み」に焦点をあてた、相互に働きやすい環境づくりに取り組む。
「世界一明るい視覚障がい者」をキャッチフレーズに、障がい者雇用分野の当事者・福祉の専門家・経営者という3つの立場を生かし、日夜奔走している。
2016年8月より同法人の理事長に就任。2020年3月、次世代に事業承継をし退任。
上濱直樹(株式会社メジャメンツ 代表取締役)
株式会社メジャメンツ 代表取締役。
障害者専門クラウドソーシングサービス「サニーバンク」を運営。
ウェブアクセシビリティを中心に障害者だからこそ出来ることを強みにした業務を開拓中。本年10月より職業紹介の資格も取得し、リモートワークでの業務委託から就職斡旋まで「障害者が稼ぐ」という点に注力している。
金森香(まるっとみんなで映画祭 実行委員長)
出版社リトルモアを経て、2001年ファッションブランド「シアタープロダクツ」を設立し、2017年まで取締役。2010年NPO法人DRIFTERS INTERNATIONALを設立し、芸術祭の企画運営・ファッションショー・出版企画などをプロデュースする。2009-2010年、インディペンデントな芸術祭「スペクタクル・イン・ザ・ファーム」を那須地域で企画運営した。現在、バリアフリーのオンライン劇場「THEATRE for ALL」や、インクルーシブな映画祭「まるっとみんなで映画祭」などの企画プロデュースを行う。
廣川麻子(TA-net)
1994年日本ろう者劇団入団。
2009年より1年間ダスキン障害者リーダー育成海外派遣事業第29期生として英国Graeae Theatre Companyにて研修。2012年観劇支援団体シアター・アクセシビリティ・ネットワーク設立。平成27年度(第66回)芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。2018年より東京大学先端科学技術研究センター当事者研究分野(熊谷研究室)
ユーザーリサーチャーとして観劇支援の研究に取り組む。
那須映里(手話エンターテイナー)
1995年、東京生まれ。日本大学法学部新聞学科卒業。デンマークにあるFrontrunnersに留学し、ろう者のリーダーシップや組織活動について学ぶ。 帰国後は、NHK「みんなの手話」出演、役者、ビジュアルバーナキュラー(VV)パフォーマンス、手話エンターテイナーとして舞台、映像に出演するなど多岐にわたって活動している。 講演活動、国際手話関係、ろうと聴者が交流するろうちょ〜会、東京都聴覚障害者連盟⻘年部役員活動にも取り組む。2022年フジテレビドラマ「silent」出演。
田澤瑞季(株式会社precog)
日本女子体育大学舞踊学専攻卒業。2016年〜2019年、TPAM 国際舞台芸術ミーティング in 横浜にてインターン、アルバイトとして現場制作、受付業務に携わる。2018年〜2020年、日本女子体育大学にてダンス学科(旧舞踊学専攻)助手として勤務。2021年4月にprecogに入社し、岡田利規氏のマネジメント、まちと美術館のプログラム「アート・キャンプ for under 22 Vol. 7 ヒューマン・ビギン:アシタナニスル?」、倉田翠×飴屋法水 東京公演を担当。デスクとしてまるっとみんなで映画祭、日中韓芸術祭2021 in Kitakyushuにも関わる。2022年よりバリアフリーコミュニケーション事業部に所属し「まるっとみんなで映画祭」などを担当。
東海林毅(映画監督)
1974年 石川県 金沢市出身 武蔵野美術大学 映像学科在籍中よりVTRによる作品制作を中心に映像作家活動を開始する。1995年、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で審査員特別賞を受賞。 同学を自主退学と同時にフリーランスとなり2004年よりオリジナルビデオで商業作品の監督・演出を務める。商業作品を監督する一方でVFXアーティストとしても幅広く活動しNHKの科学史番組「フランケンシュタインの誘惑」では放送開始時から演出やVFXを務めている。近年、表現の幅を広げるために自主映画にも力を入れ「老ナルキソス」(2017)は第27回 レインボー・リール東京でグランプリを受賞したほか国内外の映画祭で10冠を達成。トランスジェンダー当事者の俳優を日本で初めて一般公募のオーディションでキャスティングした映画『片袖の魚』を脚本、監督、プロデュース。2021年7月より新宿K’s cinemaほか全国で公開中。
山上庄子(Palabra株式会社代表取締役)
映画の字幕や音声ガイドの制作を専門とするPalabra株式会社の立ち上げに参加し、現在は演劇などの舞台芸術のバリアフリー化、UDCastサービスの運営、バリアフリーコンサルティングなどにも取り組んでいる。
「令和2年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰」にて内閣府特命担当大臣表彰優良賞受賞。令和3年度「第7回糸賀一雄記念未来賞」受賞。
藤原徹平(建築家・一般社団法人ドリフターズインターナショナル理事)
建築家。横浜国立大学大学院Y-GSA准教授 フジワラテッペイアーキテクツラボ主宰 一般社団法人ドリフターズインターナショナル理事。大学院卒業後、隈研吾建築都市設計事務所にて世界の多様な都市でのプロジェクトを設計チーフとして経験。その経験を糧に、これからの地域社会をつくる建築や都市の可能性を探求し続けている。主な作品に「等々力の二重円環」「代々木テラス」、「稲村の森の家」、「那須塩原市まちなか交流センター」など。
樋爪克至(ART 369)
高校卒業後、単身ニューヨークに留学。
ファッション・アート・カルチャーを学び帰国後、東京を拠点にアートイベントを主宰。東日本大震災後、拠点を栃木の黒磯(那須)に移し2017年ボタニカルショップ“Dear,Folks&Flowers”を開業。那須塩原市ART369 PROJECT会長。
西田祥子(アートマネージャー)
1986年佐賀県生まれ。京都大学文学部卒業。直島でアートプロジェクトの企画運営に携わった後、独立。合同会社アートロジーやアートマネージャー・ラボのメンバーとして、アート関係者の互助ネットワーク作り、企画コーディネート、調査事業などに取り組む。アートに関わる誰もが、自らのスキルを発揮し、心豊かで幸せな生活を送ることができる社会を作るべく活動中。
米津いつか(アートマネージャー/コーディネーター)
フリーランスでアートマネジメントやコーディネート、編集を行う。THEATRE for ALLの蓮沼執太×水尻自子によるオリジナルアニメーション『PAPER?/かみ?』(2022年)ではコーディネートを担当。編集に『超・幻聴妄想かるた』(特定非営利活動法人やっとこ、2018年)、『こどもと大人のためのミュージアム思考』(左右社、2022年)など。
梅原徹(音楽家)
音楽家/美術家。都市・環境のリサーチやフィールドワークを通した音響作品の制作を行っている。また映像や舞台作品の劇伴制作、海外レーベルからのアルバムリリースやミックスの提供など活動分野は多岐にわたる。
ドイツ/デュッセルドルフでの在住経験を経て、2018年横浜国立大学理工学部卒業。2020年東京藝術大学大学院美術研究科修了。
五十嵐純子(料理家・小児患者保護者のおしゃべり会代表・認定NPO法人スマイリングホスピタルジャパン茨城地区コーディネーター)
1977年茨城県生まれ。料理家。自宅で料理教室を主宰。雑誌、ネットニュースなどにレシピなど提供。長女を妊娠時に、子宮頚がんが見つかり、出産後に円錐切除術で治療。経過観察中に次女を妊娠し、5ヶ月で破水してしまい、2ヶ月入院。7ヶ月で次女を自然分娩で出産。育児書のない重症心身障害児の子育てに悩み、外に出る事ができなくなる。2012年に、筑波大学附属病院で小児患者保護者のおしゃべり会を立ち上げ、病気や障がいのある子どもを育てる保護者と毎月一度のおしゃべりの場を作る。地域の医療者や、福祉関係者、地域のボランティアなどと巻き込み、院内でイベントを開催し、どんなに重症であっても、生きがいを持って遊び、学び、繋がることを発信。2017年、認定NPO法人スマイリングホスピタルジャパン茨城地区コーディネーターとして、茨城県立医療大学附属病院小児病棟、デイサービス等に、プロにアーティストを連れて行き、活動をしている。2020年UNIQLOから発売された「前開きロンパース」開発にはおしゃべり会のメンバーでモニターを請け負い、発売に至る。子どもたちや、保護者たちと共に、日々、生きることについて思う。
五十嵐ここね(重症心身障害者ファッションモデル)
2006年茨城県生まれ。肢体不自由特別支援学校高等部2年。母が5ヶ月で破水、妊娠7ヶ月の時に1166gで生まれる。呼吸をしていなかったため、すぐにNICUでの処置を受け、数日間生死を彷徨い、後遺症が残り、脳室周囲白質軟化症の診断を受ける。医療、行政から、フォローがないまま退院し、自宅で生活し、徐々に障害の程度がわかる。発達遅滞(1歳半程度)、生後3ヶ月程度の身体能力。四肢麻痺、てんかん、手動弁、言語障害、嚥下障害の重度心身障害。性格は、明るく、人と関わる事が好き、食べることが大好き!聴覚はしっかりしている為、音楽が好き。2021年「true coloers fashion」のモデルで出演。将来の夢は、ファッションモデルと、人間力を測るカフェ店員。
大久保玲子(THEATRE for ALL ディレクター)
多摩美術大学大学院前期修了。多摩文化振興財団、府中市美術館で企画展や教育普及を担当。エルメスジャポン株式会社・コミュニケーション部を経て中国・北京「松雷デザインセンター」にてブランド立ち上げに携わる。帰国後PLUGIN art & pressを立ち上げ芸術祭広報や企画展示、シンポジウム運営など受託事業を開始。2022年4月よりTHEATRE for ALLのディレクターとしてprecogに参画。
宮崎淳子(イベントオーガナイザー)
音楽やダンスなどのイベント・オーガナイズを生業とし、芸術祭や音楽、ダンス、演劇などの制作・運営にも携わる。近年はKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭をはじめとするいくつかの芸術祭でスタッフマネージャーもつとめる。アゲインストから生まれる表現作品が大好物。